「神様。なぜ超能力者をこの世に遣わされたのですか。人類を試すためだったのでしょうか。
それなら、もしそうだとしたら神様、人類はまだまだです。」
【 データ 】
放送期間:1979年08月06日~1979年08月18日 全13回
放送時間:日~土曜18:00~18:29
放送局:NHK NHK少年ドラマシリーズ
原作:筒井康隆
出演:多岐川裕美、村地弘美、高橋長英、堀内正美、アレクサンダー・イーズリー ヘンリー、新垣嘉啓
語り:芥川隆行
【 DVD 】
【 解 説 】
NHK少年ドラマシリーズの流れを汲みつつ、少年向けではない一般作品として製作されたシリーズ。 半年前にTBS日曜劇場『芝生は緑』(「家族八景」のドラマ化)で七瀬を演じた多岐川裕美の主演。
テレパスの七瀬が、旅の途中で自分と同じ超能力者たちと出会い、安息の地を求める。 予知能力、念動力、タイムトラベル能力など、さまざまな能力を持った5人が行動をともにするが、超能力者を狙う謎の組織に狙われ、追いつめられていく。
特撮らしい特撮はないが、社会から迫害される超能力者の悲哀を丁寧に描いた。
七瀬の家政婦時代を描いた『家族八景』(1972年)、本作の後日談にあたる『エディプスの恋人』(1977年)があり、これらと本作を合わせて、七瀬3部作と呼ばれることがある。ただし趣は3作で全く異なり、『家族八景』が家庭に篭もる心理ドラマであったのに対して、『七瀬ふたたび』は一転して超能力アクションものとなっている。

リアルタイムで、みていました。
多岐川裕美さん、笑顔が可愛くて物腰が儚げな雰囲気が強く印象に残っています。
この後に放送される「家族八景」とはかなり印象が異なります。
【 内 容 】
人の心を読めるテレパス・七瀬が、独りで旅に出るところから、物語は始まる。 途中、予知能力者の恒夫、テレパスのノリオ、念動力者のヘンリーと出会い、その4人で超能力者の安住の地を求めて北海道に渡ろうとして、フェリーの船上でタイムトラベラーの藤子とも出会う。5人とも超能力者であるがゆえに愛を知らず孤独なのだ。 しかし、資金を得るため、超能力者の理解者・山村とマカオのカジノに行ったことがきっかけで、殺し屋・ゾンビー軍団という秘密組織に追われる羽目になり北海道の原生林に追いつめられる…。
1. 出会い
他人の心が読めるテレパスの力に疲れ、あてのない旅に出ていた火田七瀬。ある夜、片田舎の電車内で予知能力者の青年・岩淵恒夫の見た電車事故のイメージを感じ、七瀬と同じテレパスを持つノリオと出会う。生き延びるため、他の乗客に事故を警告するが・・・。
2. 旅立ち
なんとか旅館に辿り着いた3人は、旅館で電車事故が起こったことを知る。しかし、事故を予言した魔女扱いされた七瀬たちの素性を怪しんだ宿の主人に対し、七瀬は自分が予言したと語り、恒夫を逃がす。残った七瀬とノリオは、再びあてのない旅を余儀なくされた。
3. 大都会の夜
七瀬とノリオは東京に戻り、七瀬はホステスとして働いていた。店のママは、客の西尾は透視能力を持つという。また店で働く黒人ヘンリーは念動力を持ち、七瀬を慕っていた。そんな時、2人の住むアパートに恒夫が現れ、新聞にノリオの義母からの尋ね人の広告が載っていると告げる。
4. ダイヤモンド
七瀬の同僚のダイヤモンドの指輪が盗まれ、七瀬が疑われる。しかし西尾の透視能力で犯人が判明。西尾は犯人をゆすろうと企むが、七瀬がそれを阻止する。七瀬にテレパスがあることを知った西尾は、七瀬に銃を向けるが・・・。
5. 航海
七瀬、ノリオ、ヘンリーの3人は北海道行きのフェリーで、漁藤子と出会う。その頃、フェリーに乗り合わせたカップルの男が、邪魔になった女の殺害を企んでいた。男の心を読んだノリオは七瀬に能力で伝え、ヘンリーの念動力で女を助けようとしたが、現場をフェリーの乗員に目撃されてしまう。
6. 時をのぼる
藤子の心を読んだ七瀬は、彼女がタイムトラベラーだと知る。七瀬は意を決して自分の能力を告白、藤子に協力を求めた。藤子とともに、時間をさかのぼった七瀬はさりげなく殺害を阻止しようとする。一方、七瀬の行方を追うルポライターの山村栄一が動き始めていた。
7. 廃墟
夢見ていた安住の地に到着した七瀬らは、自分たちが同じ一族ではないかと推測。藤子が過去に跳躍し、自分たちの祖先は約500年前に北海道で暮らし、その後本土に移住した一家であることが判明。しかし、自分たちが暮らそうとしていた土地が売りに出されていると知る。
8. 家族
寝たきりの富豪・岡野鉄造の家で家政婦として働くことになった七瀬。鉄造は、細かいことにまで気づく七瀬を気に入り、七瀬との結婚を考え始める。しかし鉄造の財産が欲しい息子夫婦が結託し、七瀬にある殺人計画の罪をかぶせようと企む。
9. 危機
土地の購入資金を調達すべく、マカオで能力を使い着実に稼ぐ七瀬。彼女がテレパスと知ったカジノ経営者の背後には、テレパスを次々に殺害した謎のサングラスの男がいた。七瀬がテレパスと確信した男は、七瀬抹殺のためテロリストを召集。一方、七瀬はカジノで知り合ったヘニーデ姫とともに脱出をはかる。
10. ある青春
ヘニーデ姫に誘われて入ったディスコで七瀬が何者かに意識を探られた。更に、山村のアパートにも脅迫文が・・・。そこに恒夫が現れ、ヘニーデ姫と一緒にいろと忠告する。しかし、迷惑をかけたくない七瀬は早朝の飛行機で北海道に向かおうとしたが、七瀬を追ってきたヘニーデ姫がテロリストの銃弾に倒れてしまう。
11. 落日
恒夫は予知により、自らの命が残り短いことを悟る。東京にいた山村は、七瀬を追って再び訪れた北海道で恒夫と再会。さらにテロリストを目撃する。恒夫の危機を知った七瀬たちは恒夫を救おうとするが・・・。テロリストは密かに七瀬たちの命を狙っていた。
12. 暗殺者たち
七瀬たちが人殺しの妖術使いだという噂が町で広まっていた。その噂はテロリストが流したものだが、七瀬は食料を得るためにやむを得ず町の人々に対して能力を駆使する。一方、能力の酷使によって体がボロボロになっている藤子と山村の前にテロリストが出現する。
13. 森を走る(終)
山村が隠れ家になりそうな小屋を発見し、七瀬、藤子、山村の3人は食料を運ぶことにした。ところが藤子が突然姿を消し、「20分後の世界でテロリストに襲われた」と言って重傷を負って戻ってくる。山村も謎の一味に襲われ意識を失う。七瀬は山荘に残されたノリオとヘンリーの元へ向かうが・・・。
関連作品
テレビ東京ドラマシリーズ#「七瀬ふたたび 超能力者・完全抹殺」
放映期間:1998年4月6日~7月6日全13話 放送時間:月曜日24:45~25:15 渡辺由紀、安達哲郎、谷原章介、篠原直美 原作にある列車事故を六本木のクラブの爆弾事件に置き換えるなどアクティブでスタイリッシュな映像で東京都心を舞台に描かかれた。
NHKドラマ8「七瀬ふたたび」
放映期間:2008年10月9日~12月11日 全10話 蓮佛美沙子、塩谷瞬、水野美紀、柳原可奈子、郭智博 七瀬の職業は老人介護施設で働くヘルパー、恒夫の名前は恒介に変更して職業はマジシャン、藤子は大学の研究員、ノリオの名前が朗に、ヘンリーは日本人として登場している。また「超能力」は「未知能力」と呼ぶ。ハゲタカ (テレビドラマ)では劇中に大空電機の商品(パソコンなど)が登場する。
映画 『七瀬ふたたび』
公開:2010年10月2日 芦名星、佐藤江梨子、田中圭、前田愛、ダンテ・カーヴァー 『筒井康隆作家生活50周年記念映画』と題し「原作に忠実に描くこと」を重視した初の劇場作品。 ただし結末は大きく異なっている。監督は『東京少女』『四月怪談』の小中和哉。主演は『シルク』の芦名星。 キャッチコピーは「彼女はテレパス 人の心の中を読む」。
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