その心中事件は
自殺か、他殺かーー。
放送期間:2016年3月12日
放送時間:土曜21:00~23:06(126分)
放送局:テレビ朝日
制作協力:角川映画
原作:松本清張『地方紙を買う女』
俳優:田村正和,広末涼子,水川あさみ,北村有起哉,片瀬那奈,寺島進,渡辺麻友,木下ほうか,大杉漣,橋爪功,佐野史郎
ナレーター:田中哲司
公式HP:http://www.tv-asahi.co.jp/chihoshi/
【 解 説 】
松本清張二夜連続ドラマスペシャルの第一夜として放送された。
小説家を主人公とした視点で描かれる。石川県を舞台としており、輪島市の琴ヶ浜海岸などで撮影された。
松本清張の短編小説の傑作を田村正和演じる小説家を主人公に映像化。原作とは異なる視点から描くことで、より深い人間ドラマとして完成度の高い作品に仕上がった『松本清張二夜連続ドラマスペシャル』の第一夜に放送される、「地方紙を買う女」。
主演の田村が、かつて娘役を演じた広末涼子、水川あさみとの十数年ぶりの共演が実現したことでも話題になっています。
今回の広末の役どころは、田村扮する小説家・杉本の連載小説が読みたいから、と地方新聞の購読を申し込む女性・芳子。しかし、突然「小説がつまらなくなったから」と購読を打ち切ったことで、杉本に疑念を抱かれ“ある真実”が暴かれそうになります。芳子の真意を探ろうと、芳子がホステスとして働く銀座のクラブへとやってくる杉本。次第に追い詰められていく芳子は、「先生、アフターよ。芳ベェ(芳子)をめちゃめちゃにして」と杉本の手をとったり、ダンスをしながら「芳ベェを抱くと(小説が)書けるわよ」と耳元で囁くなど、杉本の追及から逃れようとします。
【 内 容 】
小説家の杉本(田村正和)は、地方紙・金沢日日新聞の連載が決まり、東京から金沢へ移住。自らの作家生命を賭け、連載小説「遠い記憶」の執筆に専念している。作品の評判は上々、同紙文化部長の服部(佐野史郎)から連載の延長を依頼される。
そんな折り、東京に住む芳子(広末涼子)という女性から「『遠い記憶』を読みたいので購読したい」という手紙が新聞社に舞い込んだことを聞かされる。芳子はどこで自分の小説を読んだのか、そしてなぜ途中から読みたいというのか?杉本はささやかな疑問を抱くが、アシスタントのふじこ(水川あさみ)は手紙は服部の捏造ではないかという。杉本が候補になっている文芸賞の落選が決まり、執筆意欲を失わせないように、と。
居ても立ってもいられなくなったふじこは一人上京。芳子の存在を確認すると一旦は安心する。しかし、身分を偽り接近した芳子から何がしかの思惑を感じ取り、疑惑を払拭することはできなかった。
数日後、芳子から「遠い記憶」がつまらなくなったから、と購読を断る手紙が送られてきた。小説は最近になって面白くなってきたはず。杉本には自信があったし、小説家仲間の東山(橋爪功)もそれを認め「失礼な」と鼻白む。杉本は芳子の一連の行動に一つの決断を下した。「この読者は、私の小説が読みたくて、新聞を購読したのではない」と。
ならば、なにが目的で金沢日日新聞を購読したのか。杉本とふじこは、芳子が購読を希望した日付の新聞から詳細に読み返し、東京と北陸を結ぶある心中事件の記事を見つける。それは東京のデパート警備員・庄田(駿河太郎)と愛人でデパート店員の梅子(須藤理彩)の遺体が関野鼻で発見された、というものだった。芳子が読みたかった記事は、この心中事件に違いない。確信した杉本は、銀座の高級クラブで働く芳子を訪ねる。杉本が「遠い記憶」の著者とわかり、素直にわびる芳子。夫の潮田(北村有起哉)は代議士の秘書のため、羽咋に単身赴任。自分は東京で、今は亡き姑の介護に追われていたという。その夫も秘書を辞め、15年ぶりに東京で一緒に暮らせるようになる。幸せになれますね、という杉本の言葉に、なぜか芳子は複雑な表情を見せる。
初対面の男女の何気ないやりとりだったが、杉本は帰り際そっと1枚の写真を置いて店を出る。確認した芳子を震撼させたその写真、そこに写っていたものとは?
金沢へ帰った杉本は、ふじことともに心中事件、潮田の周辺などを調べ始める。庄田と梅子は本当に心中だったのか?他殺だとすれば、芳子がどう関わったのか?すべては真実が知りたいため…。小説家の業に突き動かされた杉本の前で明らかになる真実とは!
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