「人生はみな仮面をかぶった仮面舞踏会のようなものだ。」
放送期間:1978年6月3日~6月24日 全四話
放送時間:毎週土曜、22:00~22:54
放送局:TBS系
原作:横溝正史
監督:長野卓
脚本:椋露地桂子
出演:古谷一行、村地弘美、乙羽信子、草笛光子、木村功、久保明、佐原健二、小笠原弘、柳生博、皆川妙子、露原千草、内田稔、三ツ木清隆、太田黒久美、長門勇、田中幸四郎
【 解 説 】
大物映画女優と婚約した実業家のもとに届いた脅迫状を巡るサスペンスドラマ。
千年続いた貴族の家系に翻弄されるものの苦しみ、色盲を通して明かされる出生の秘密、心中に失敗して一人生き残ってしまった青年のやるせなさ、その青年に心をぶつけて立ち直りを願う献身的な看護婦のひたむきさ、原作には無い部分を含めて引き付けられる要素が盛りだくさんである。
そして、「生まれてこなければ良かったんだ!」という言葉と共に発せられた3発の銃弾による悲しみの大団円。 犯人の残虐的行為には同情の余地は無いのだが、その引き金となったあまりにも悲しい事実がその憤りを静めてしまうのである。 人生はみな仮面をかぶった仮面舞踏会のようなものだ、と古谷金田一はつぶやく。
気付かぬうちにかぶらされていた仮面、それを無理矢理はずそうとした人々。どちらの結果にせよ、決して幸せではなかったであろうあまりにも悲しい犯人の姿に、悲哀の気持ちを感ぜずにはいられないのである。
前作:真珠郎
次作:不死蝶
【 内 容 】
銀幕の大スター鳳千代子は、過去四人の男と結婚して別れており、目下五人目の男、飛鳥忠煕と恋愛中であった。
そして、その三番目の夫、槙恭吾が死体で発見されたのが、昭和35年8月14日だった。
飛鳥忠煕から事件調査の依頼を受け、現場に駆けつけた金田一耕助が見たものは、茶卓の上に意味ありげに散らばった朱色や緑色のマッチ棒であった。
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