家族を大切にしない奴は男じゃない。
日本公開:1972年7月15日
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ/ギャング
原作:マリオ・プーゾ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、マーロン・ブランド
受賞:第45回(1972年)アカデミー賞 作品賞
第30回(1973年)ゴールデングローブ賞 ドラマ部門 作品賞
【 解 説 】
フランシス・フォード・コッポラ監督の名を一躍有名にした傑作。アメリカに生きるイタリア系移民一族の栄光と悲劇。 単なる組織犯罪やギャングの物語ではなく、家族の愛憎とファミリーを守ろうとする男たちの姿が主要なテーマ。
ジェームズ・カーン、アル・パチーノ、ロバート・デュヴァルらの演技と、静かなタッチのなかに展開する凄惨な抗争描写が見もの。以後のバイオレンス作品の手本となった。
ドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドがアカデミー主演男優賞を受賞したほか、作品賞と脚色賞も受賞した。 ニーノ・ロータによるテーマ曲も印象的。
冒頭の圧倒的な実在感で繰り広げられる結婚式のシーン。 映画のプロデューサーを脅す為に彼の愛馬の首がベッドから現れるショッキングなシーン。 ビトーが果物屋の店先で撃たれるシーン。 マイケルが深夜に重体の父が入院中の病院を見舞って警察とグルになった対抗組織の襲撃計画を間一髪でかわすスリリング。
マイケルがレストランで対抗組織のボスとそれと結ぶ警部を射殺するまでのくだり。 ソニーが有料道路の料金所で蜂の巣になる壮絶なシーン。 ラスト近くの洗礼と殺戮の見事なカットバック。 緻密な人間描写、そして重厚な人間関係……等々この映画の魅力は語っても語り尽くせない。
1972年:『Part I』
【 内 容 】
夏の陽射しが眩しいコルレオーネの屋敷。そこで行われている彼の娘コニーの結婚式からこの物語の幕は上がる。 華やかな音楽も届かない書斎では、ブラインドが降ろされ、その中でドン・ビトー・コルレオーネが友人たちの頼みごとを聞いていた。 彼は相手が貧しく微力であっても助けを求めてくれば、親身になってどんな問題でも解決してやっていた。 彼への報酬と言えば、ささやかな友情の証と、“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という尊称だけ。 そしていつなりとも彼の呼び出しに応じ、恩を返せばよかった。 これが彼らの世界であり、その掟であった。
そんなある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォが仕事の話を持ちかけてきた。 政界や警察に顔のきくコルレオーネのコネを必要とした判断からだった。 しかしドンはその話を丁重に断る。 彼はドンさえ殺せばこの取り引きは成功すると鋭く見てとり、その日以来機会を狙っていた。 そして早い冬の夕暮れ、一族の経営しているオリーブ・オイル社から出てきたドンは、街頭でソロッツォの手下に襲われた。 銃弾を何発もうけたが、強靱な彼は一命をとりとめる。 これは、ドンが築いてきた強大なコルレオーネ帝国とその支配力に対する初めての挑戦だった。
ソロッツォの背後にはタッタリア・ファミリーがあり、すでにニューヨークの他のファミリーも動きだした。 こうして1947年の戦いは始まってゆく……。
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