「花のような微笑みと豊かな髪青く澄んだ黒い瞳の少女それが踊子だった 」
日本公開:1974年12月28日
配給:東宝
ジャンル:文芸
原作:川端康成
監督:西河克己
出演:山口百恵、三浦友和、中山仁、佐藤友美、一の宮あつ子、四方正美、石川さゆり、宗方奈美、田中里代子、有崎由見子、江戸家猫八、三遊亭小円遊
【 解 説 】
川端康成による同名小説の6度目の映画化。 時のアイドル山口百恵の初主演映画。そのクオリティの高さも手伝って、クリーンヒットとなった作品。 相手役には三浦友和が起用され、以後2人は次々と映画やテレビドラマなどでの共演を続けていき、ついには結婚へと至ることになる。 監督の西河克巳は、かつて63年にも吉永小百合主演で『伊豆の踊子』を撮っていた。 ここでも安定した手腕を披露して多くの信用を得、その後も引き続き百恵&友和コンビの映画を多数演出することになった。
同時上映:『エスパイ』
【 内 容 】
大正末期、主人公は、孤独になった事による、自己嫌悪と自己憐憫を癒すため、伊豆へ旅に出る。 旅芸人の踊子達と一高生という階級格差を超えた生身の人間同士の交流を通して、少年が人の温かさを肌で感じ、作品内にある「孤独根性」から抜け出せると感じるに至る。 大正の末、天城に向かう山道を行く一高生・川島は、旅芸人の一行に出会った。 一行は栄吉とその妻・千代子、千代子の母親ののぶ、雇い娘の百合子、そして太鼓を背負った古風な髪型のよく似合う美しい少女の五人で、彼らは三味線や太鼓、そして唄や踊りで温泉場の料理屋や旅館の客を相手につつましい生計をたてていた。 かおるという名のその踊子は、下田まで川島と一緒に旅ができると知って喜んだ。 湯ケ野について踊子と五目並べに興じていたある日、栄吉と風呂に入っていた川島は、向かいの共同風呂に入っていた踊子が裸のまま立ち上り、こちらに手を振るのを見てその無邪気な子供らしさに思わず頬笑んだ。 そんなある日、踊子は山蔭の古小屋で、粗末な夜具にくるまって寝ている幼馴じみのおきみと再会した。 酌婦をしていたおきみは客を取らされ、病気になった今は、厄病神あつかいされて古小屋に追い払われていたのだった。
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