『本陣殺人事件』

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因果はめぐる水車
無常の魔
吹きすさび
地獄の風が吹いてくる
鮮血と情念に彩られた
華麗なる
サスペンスロマン!

日本公開:1975年9月27日
製作国:日本
配給:ATG
ジャンル:ミステリー
原作:横溝正史
監督:高林陽一
出演:中尾彬、田村高廣、新田章、高沢順子、東竜子、伴勇太郎、山本織江、水原ゆう紀、加賀邦男
音楽:大林宣彦

【 解 説 】

  1976年に製作された『犬神家の一族』を発火点に、横溝正史原作小説の映画化ブームが起こったが、本作は、その1年前にATGと“情念の作家”高林陽一監督が製作した作品。 そのため、後の横溝映画のようなエンタテインメント的派手さは見られないものの、因習の支配する村で起こる悲劇という、横溝小説おなじみのシチュエーションをディープに描写している。

 だが、金田一耕助をジーンズ姿(ちなみに横溝正史はこの中尾金田一をたいそう気に入っていたという。)の探偵にするといったアレンジがなされている。 金田一役の中尾彬も悪くはないのだが、やはり違和感はぬぐえない。

 耽美的な映像と美術、音楽(大林宣彦が手がけている)は、横溝の原作の雰囲気をよく表現しており、とりわけ犯行プロセスを解読したシーンにおけるモノクロ・サイレントの映像と、低音を活かした音響効果のマッチングが素晴らしい。

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【 内 容 】

 三方を山に囲まれた小部落。広大な敷地を持つ一柳家はこの地方きっての旧家で、江戸時代からの宿場の本陣であった。あの恐しい事件があった当時、一柳家の邸内に住んでいたのは次の人々である。先代の未亡人の糸子刀自。長男の賢蔵。彼は京都の大学を出て講師を務めていたが、健康を害し郷里にひきこもった。

 近代哲学に関する著書もある賢蔵が、40歳まで独身だったのは、勉学のためだけではなく、彼の眼鏡にかなう女性がいなかったからだった。賢蔵のすぐ下の妹と弟は当時外地におり、その下には三男の三郎と次女の鈴子がいた。三郎は兄弟中の不作で、ひたすら探偵小説に熱中しており、鈴子は腺病質で、知能も遅れていたが、決して低能、白痴ではなく、殊に琴は名手だった。他に邸内には賢蔵の従兄弟の良介と妻の秋子が住んでいた。この平穏無事な生活を続けていた一柳家に波紋を投げかけたのが、賢蔵の結婚問題であった。

 賢蔵が選んだ相手は高校の教師をしていた久保克子で、彼女の父はかつて、一柳家の小作人で、若い頃アメリカに渡って成功し、その父の死後、克子は叔父・銀造に育てられたのだった。一柳家から見れば身分違いなのである。しかし、賢蔵は周囲の反対を押し切った。婚礼の日。四月も末だというのに雪が降り始めた。式はとどこおりなく済み、新郎・新婦は、母屋から庭一つ隔てた離れに寝んだ。午前4時15分、突然、克子の悲鳴が夜のしじまを破った。銀造たちが離れに行くと、克子が日本刀で斬られ、血まみれの賢蔵が傍に倒れていた。枕元には琴、金扉風には三本指の血痕、そして兇器の日本刀は、庭の石とうろうの根元に突き刺さっていた。離れには門も錠もかかっており、庭には雪の上に足跡一つ無かった。この「本陣殺人事件」は磯川警部が担当することになった。警部は一昨日、一柳家を訪ねて村道を歩いていた三本指の男を犯人と断定した。そんな時、銀造の依頼を受けた私立探偵・金田一耕助がやって来た。

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