『蒲田行進曲』

1980年~1989年
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「人生感動!どこを好きになったって?もちろんあんたのセコさよ!」

 

 

 

 

 

 

製作:角川春樹
日本公開:1982年10月9日
製作国:日本
配給:松竹
ジャンル:ドラマ/コメディ
原作:つかこうへい
監督:深作欣二
出演:松坂慶子、風間杜夫、平田満、高見知佳、原田大二郎、真田広之、千葉真一、志穂見悦子

 

 

 

 

 

主題歌:『恋人も濡れる街角』  歌:中村雅俊

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【 解 説 】

 映画の花形スターと、その取り巻きの大部屋俳優のサド・マゾ的関係を軸に、スターの子を宿した落ち目の女優と2人の男の奇妙な人間関係を、映画製作の内幕に絡ませて描き出した人情喜劇の傑作。

 クライマックスの新選組池田屋階段落ちのシーンは涙なしでは観られないとして話題が話題を呼び、日ごろ日本映画を見ようとしない若者層まで多数集客して大ヒットを記録。  その年の映画賞も独占した。

 

 【 内 容 】

 ここは、時代劇のメッカ、京都撮影所。今、折りしも「新撰組」の撮影がたけなわである。  さっそうと土方歳三に扮して登場したのは、その名も高い“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎である。  役者としての華もあり、人情家でもあるのだが、感情の落差が激しいのが玉にキズ。こんな銀ちゃんに憧れているのが大部屋俳優のヤス。

 ヤスの目から見れば銀ちゃんは決して悪人ではない、人一倍、仕事、人生に自分なりの美学を持っているだけだ。 ある日、ヤスのアパートに銀ちゃんが、女優の小夏を連れて来た。

 彼女は銀ちゃんの子供を身ごもっていて、スキャンダルになると困るのでヤスと一緒になり、ヤスの子供として育ててくれと言うのだ。ヤスは承諾した。  やがて、小夏が妊娠中毒症で入院するが、ヤスは毎日看病に通った。その間、ヤスは、撮影所で金になる危険な役をすすんで引き受けた。

 小夏が退院して、ヤスのアパートに戻ってみると、新品の家具と電化製品がズラリと揃っていた。  だが、それとひきかえにヤスのケガが目立つようになった。  “階段落ち”とは、「新撰組」のクライマックスで、斬られた役者が数十メートルもの階段をころげ落ち、主役に花をもたす危険な撮影なのだ。  ヤスは大部屋役者の心意気を見せて、なんとか銀ちゃんを励まそうと必死だった。  “階段落ち”撮影決行の日が近づいてきた。

 ヤスの心に徐々に不安が広がるとともに、その表情には鬼気さえ感じるようになった。  心の内を察して、小夏は精一杯つくすのだが、今のヤスには通じない。 撮影の日、銀ちゃんは、いきすぎたヤスの態度に怒り、久しぶりに殴りつけた。  その一発でヤスは我に帰った。

 撮影所の門の前で、心配で駆けつけた小夏が倒れた。  “階段落ち”はヤスの一世一代の演技で終った。  小夏がベッドの上で意識を取り戻したとき、傷だらけのヤスの腕の中に、女の子の赤ん坊が抱かれていた。

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