飛べ、ナウシカ!愛と勇気を胸に・・・
「少女の愛が奇跡を呼んだ。」
日本公開:1984年3月11日
製作国:日本
配給:東映
ジャンル:アニメ
原作:宮崎駿
監督:宮崎駿
声優:島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗、永井一郎、宮内幸平、八奈見乗児、矢田稔、吉田理保子、松田洋治、冨永み~な
主題歌:「風の谷のナウシカ」 歌:安田成美
【 解 説 】
アニメ誌に連載していた自らの漫画を原作に、宮崎駿が監督を務めた劇場用長編アニメ、第2作目。
『未来少年コナン』でも描かれていた、文明消滅後に森林が生まれ、生命を再生させるという構想を膨らませ、後の『もののけ姫』に通じる自然と人間との対立と共生を掘り下げた意欲作。 文化論を躍動感溢れる娯楽作に昇華させた。
母の優しさと獣の荒々しさを兼ね備えたヒロイン、おぞましくもどこかしら哀しさを感じさせる蟲という存在、あるときは風に乗りあるときは雲を割いて空を駆ける飛行機械など、それまでの宮崎作品の集大成にしてその後の原点と呼べるような1本。 音楽を久石譲が手がけて「宮崎×久石」の黄金コンビが生まれるきっかけともなったが、そのテーマ曲も美しい。 巨大な王蟲(オーム)の群れが暴走するクライマックス、そしてナウシカの純粋な魂が胸を締めつけるラストシーンは圧巻。 日本のアニメ史上にさん然たる金字塔をうちたてた作品。
【 内 容 】
かつて人類は自然を征服し繁栄をきわめたが、「火の7日間」と呼ばれる大戦争で産業文明は壊滅した。 それからおよそ千年、わずかに生き残った人類は巨大な蟲類が棲み、有毒な瘴気を発する菌類の広大な森・腐海に征服されようとしていた。 腐海のほとりに、海からの風によって瘴気から守られている小国・風の谷があった。 その族長ジルの娘ナウシカはメーヴェにのって鳥のように飛び、人々の嫌う巨大な蟲・王蟲と心をかよわせる自然との不思議な親和力を持っていた。
ある夜、風の谷に巨大な輸送機が墜落し、翌日巨大な血管のかたまりのようなものが発見された。 それは、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという兵器・巨神兵だった。 ペジテ市の地下から掘り出され、それを奪い取った世界統一の野望を持つトルメキア王国が、輸送中墜落したのである。 墜落を知ったトルメキアの皇女クシャナは、大編隊を風の谷に送り込んで来、ジルを殺しナウシカを人質として連れ去った。 トルメキアの船はペジテのアスベルに襲われる。
ナウシカは腐海に落ちたアスベルを救出し、腐海の秘密を知った。 腐海の樹々は汚染された世界を浄化するために大地の毒を自らに取り込み、きれいな結晶にかえて砂となっていた。 蟲たちは自然を破壊するものから森を守っていたのだ。 ペジテに戻ったナウシカとアスベルは、市長から風の谷のトルメキア群を壊滅させるため、蟲を使って襲わせようという計画を聞いた。 ナウシカはアスベルの母に助けられ、捕われた船からメーヴェに乗って脱出した。
一方、風の谷では村人が一斉に蜂起を始めていた。 風の谷に向かうナウシカは怒りで目を真紅に輝かせてばく進する王蟲の大群を見る。 群れの向かっている方向には一機の飛行ガメが浮かび、それは瀕死の王蟲の子をぶら下げていた。 ペジテの計画とはこのことだったのだ。
王蟲の暴走を知った風の谷の人々は大パニックに陥り、クシャナは巨神兵を使うことを決意する。 だが、時期が早すぎたため少しの力をだした後、くずれ去ってしまった。 ナウシカは武器も持たずに攻撃されながら飛行ガメの中へ飛び込んで行った。 その衝撃で飛行ガメは落下し、ナウシカは酸の湖の中へ入ってしまおうとする王蟲の子を身を挺して止めた。 赤かった王蟲の子の目が青に変わった。
ナウシカは王蟲の子と共に、王蟲の大群の眼前に降り立った。 あっという間に、王蟲の群れはナウシカの身体をも包み込んでしまったが、靄が晴れた後、青い目の王蟲の群れの真中に彼女は横たわっていた。王蟲の中の一体がナウシカの遺体の下に触毛をまわして持ち上げた。あたりが光り輝き、奇跡が起こった。 ナウシカがゆっくりと目をさました。
コメント