ホームズをはじめ、ワトソンなど、すべてのキャラクターを犬に置き換え、ギャクあり笑いあり、スリルとサスペンス
日本公開:1984年3月11日
製作国:日本
製作:東京ムービー新社
配給:東映
ジャンル:アニメ
原作:コナン・ドイル
監督: 宮崎駿
声優:柴田侊彦、富田耕生、大塚周夫、麻上洋子、飯塚昭三
音楽:羽田健太郎
【 解 説 】
私立探偵ホームズと、その助手のワトソンがモロアッチ教授の企む数々の事件を解決していく。 TV用として制作されているために1話が30分に満たないが、その中に宮崎駿お得意のユーモアまじりにして密度の濃いアクションが徹底して詰め込まれており魅力的。
「青い紅玉」と「海底の財宝」の2編が『風の谷のナウシカ』と同時上映された。 これは劇場版と呼ばれていて、声優、台詞、登場人物の名前、編集、効果音、音楽がテレビ放送時と異なる。 特にホームズ役の声優の違いが、作品の雰囲気を変えている。 柴田侊彦の声は頼りがいのある大人のホームズという感じで、作品全体を少し落ち着いた雰囲気にしている。
劇場版においては、本作はコナン・ドイルの著作物には基づかない旨の断りを入れるクレジットが入っており、数人の登場人物の名前が変更されている。 モリアーティ教授はモロアッチ教授、ハドソン夫人はエリソン夫人、レストレード警部はレストラント警部になっている。 他にも、音声処理により「シャー□ック・ホームズ」と伏せ字で名乗っているようにみえる。
劇場版のいくつかのシーンはテレビ放送時にカットされた。
1986年の『天空の城ラピュタ』の同時上映の「ミセス・ハドソン人質事件」と「ドーバー海峡の大空中戦!」はテレビ版と同じである。 テレビ版で原作と同じ名前になったのは、劇場版上映からテレビ版放送開始までの間に原作の著作権が消滅したから。
同時上映:風の谷のナウシカ
【 内 容 】
〔青い紅玉の巻〕
悪の天才モロアッチ教授は、都下に怪鳥型飛行機を操縦させ、街中大パニックを起こす。 そのすきに教授は、宝石店から秘宝“青い紅玉”を盗み出すが、スリの少女ポリィに取られてしまう。 宝石店主から捜査を依頼されたホームズは、教授に追跡されているポリィを助けた。 翌日、教授は怪鳥型飛行機を使ってポリィを誘拐する。再びホームズによって救出されたポリィは宝石店に宝石を返しに行った。
〔海底の財宝の巻〕
船隊司令官が極秘に開発してきた潜航艇が盗まれた。 犯人はモロアッチ教授で、それを使って探険家ラインサンダー大佐が発見したという、ナポレオンの軍資金を盗み出すと推理したホームズは、大佐の船が通るドーバー海峡へ飛んだ。 大佐は司令官の双子の兄であった。教授は魚雷を使って船を攻撃する。 船と共に深海に沈んだホームズ達は、持ち前の頭悩でもう一つの不発の魚雷を動かし、海底より全員と共に脱出する。 が、財宝は沈んだままだった。
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