ドラマアカデミー賞 ‘2000

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ドラマアカデミー賞 ‘2000

■第24回(
最優秀作品賞
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 「ビューティフルライフ」 TBS系  実力はありながらも愛想がなく、客受けのよくない美容師・柊二(木村拓哉)と、難病のために車イスに乗りながらも、明るく生きる杏子(常盤貴子)が恋に落ち、2人で“生”と“死”に向き合っていく。たとえ短い命でも、人生はキラキラと輝けるんだ、というメッセージに日本中が涙した名作。

主演男優賞
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木村拓哉 「ビューティフルライフ」 TBS系  “トイレ前キス”のかつてないほどの生っぽさや、足で車イスをグイッと引き寄せるなど、恋人とのシーンで見せるふとしたしぐさで、何度もキュンとさせた。抜群のトキメキを提供し、恋愛ドラマをやらせたらこの人の右に出る者ナシ!という天性のセンスを強烈に見せつけた。

主演女優賞
常盤貴子 「ビューティフルライフ」 TBS系  杏子という人がもつ天性の明るさと、ハンデを負っているがゆえの複雑な心の揺れをみごとに表現。また、相当の努力が必要だったと思われる車イスの乗りこなしや、家でくつろいだようすなど、自然な演技にうまさが光った。

助演男優賞・女優賞
渡部篤郎 「ビューティフルライフ」 TBS系  クールな役の印象が強い渡部篤郎が、オヤジギャグ炸裂の正夫をユーモアたっぷりに魅せ、底知れぬ演技力で見る者をうならせた。柊二(木村拓哉)&杏子(常盤貴子)の主演2人に引けを取らないインパクトの強い、正夫とサチ(水野美紀)のシーンが“BL”の大ヒットにひと役買ったのは確かだ。   
水野美紀 「ビューティフルライフ」 TBS系  杏子(常盤貴子)と柊二(木村拓哉)の恋を応援する佐千絵役。正夫(渡部篤郎)とのほとんどコメディーな掛け合い、どれもがみずみずしい魅力にあふれ、まさに助演として主演の2人を支えた。

主題歌賞
「今夜月の見える丘に」:B’z 「ビューティフルライフ」 TBS系  B’zは意外にもこれが初受賞。柊二(木村拓哉)の思いをつづったような歌詞に、彼ららしいダイナミックでスケール感あるサウンドが、ドラマの世界へとグイグイ引きこんだ。タイトルバックにもうまくマッチした。

 

 

■第25回(
最優秀作品賞
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 「池袋ウエストゲートパーク」 TBS系  元ヤンキーのマコト(長瀬智也)は、友人を殺した容疑を晴らすために、みずから真犯人探しに乗り出す。その過程で、東京・池袋に起こるさまざまな事件を仲間たちとともに解決。不良だが、彼らなりの“義”を貫きとおすイマドキの若者像がビビッドかつユーモアたっぷりに描かれ、憧憬の念までも抱かせた。

主演男優賞
滝沢秀明 「太陽は沈まない」 フジ系  母の死の真相を求める直をリアルに好演。大人社会に直面し成長する、直の変化する過程や、彼女にぶっきらぼうなようす、女性弁護士へ抱く淡いあこがれなど、微妙な感情で見せる表情が心に焼きつく。画面に引きつける役者としての圧倒的な魅力に、着実な成長が見て取れた。

主演女優賞
ともさかりえ 「君が教えてくれたこと」 TBS系  元精神科医の慎一(上川隆也)と出会い、人間の微妙な感情を学んでいく自閉症の繭子役。視線の移動や髪をさわるクセなどの細かい動きから、人に触れられたときの激しい拒絶まで、動作のリアリティーが秀逸。さらに、単調な語り口のまま繭子の喜怒哀楽をみごとに演じ分けた。

助演男優賞・女優賞
窪塚洋介 「池袋ウエストゲートパーク」 TBS系  作品ごとに違う表情を見せてきた窪塚が、池袋を仕切るGボーイズのキング・タカシ役でついに受賞。「マコちゃ~ん(長瀬智也)」と甘えたり、歯向かう人間に容赦なかったり、つかみどころのないタカシの恐ろしさを、あくまでもキュートに表現。作品の世界観もつくり上げた。   
深津絵里 「天気予報の恋人」 フジ系  唯川幸の名でDJを務める祥子役。身分を偽って出会った天気予報士・矢野(佐藤浩市)に引かれるが、親友の早知(稲森いずみ)と三角関係に。うそがばれないよう早知と左往右往する場面でのコメディエンヌぶりと、真実を告げられないせつなさをナチュラルに演じ、共感を呼んだ。

主題歌賞
「忘却の空」:SADS 「池袋ウエストゲートパーク」 TBS系  乾いたサウンドが池袋に生きる若者たちの姿とダブり、独特の哀感を醸し出していた。ドラマのスピード感ともマッチし、審査員、TV記者の2層からの支持を受けた。

 

 

■第26回(
最優秀作品賞 
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 「Summer Snow」 TBS系  両親を事故で亡くし、弟、妹と肩を寄せ合って生きてきた夏生(堂本剛)は、心臓病のユキ(広末涼子)と出会い、かけがえのない恋をする。耳の不自由な弟の進路問題、高校生の妹の妊娠、ユキの病気、次々起こる問題に悩みながらも、力を合わせて懸命に生きる夏生たちの姿と、互いに思いやる愛に心温まった。

主演男優賞
堂本剛 「Summer Snow」 TBS系  自転車店を営みながら弟妹を養う、夏の太陽のように明るい青年・夏生役。連ドラでは、どこかに陰を感じさせる一匹狼的な役が多かっただけに、今までとは全く異なるキャラクターを表現しきった堂本に驚かされた。役者としての幅の広さと懐の深さを見せつけ、2度目の栄光に。

主演女優賞
菅野美穂 「愛をください」 フジ系  普通なら共感の得られない李理香だが、彼女のもつ深い孤独を痛々しいほどの熱演で訴えかけた。妻子のある男性を誘惑するときの冷たい美しさ、「愛をください」と歌うときの純粋さが印象的だった。

助演男優賞・女優賞
香取慎吾 「合い言葉は勇気」 フジ系  ハチャメチャな仁太郎や富増村の面々の中で、唯一ニュートラルでありながら、存在感を打ち出せたのは香取だからこそ。抑える演技とハジける演技のバランスも絶妙だった。    
広末涼子 「Summer Snow」 TBS系  活動的な役の多かった広末だったが、ユキを女の子らしく清楚に演じ、新たな魅力を発揮した。いまにも命の炎が消えてしまいそうなはかなさと、信じた愛を貫こうとする強さを丁寧に表現し、見る者を引きつけた。

主題歌賞
「夏の王様」:KinKi Kids 「Summer Snow」 TBS系  これぞ夏!といったアップテンポな曲調に、思わず恋をしたくなるような歌詞が、夏クール&恋愛ドラマという要素にピタリとハマった。タイトルバックとの相性も非常によく、視聴者の夏気分を盛り上げ、ドラマへの期待感もあおった。

 

■第27回(
最優秀作品賞
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 「オヤジぃ。」 TBS系  開業医でガミガミと口うるさいオヤジ・完一(田村正和)と、彼を尊敬しつつもつい反発する1男2女の子供たち、そしてフォローする母・美矢子(黒木瞳)。そんな神崎家に巻き起こるさまざまな出来事を通し、子供たちの成長や、家族の絆を笑いあり涙ありで描いたホームドラマ。家族のあり方も考えさせられた。

主演男優賞
唐沢寿明 「ラブコンプレックス」 フジ系  超ハイテンションで裏表も激しいが、素顔が見えないゴウという怪人物を舞台調の芝居で表現。唐沢の芝居にこのドラマの成否がかかっていたと言っても過言ではないが、“やりすぎず抑えすぎない”計算は完璧。浮いて当たり前の難役をみごとに作品になじませた実力に舌を巻いた。

主演女優賞
松嶋菜々子 「やまとなでしこ」 フジ系  コミカルな演技で新境地を開き、女優として演技の幅を着実に広げている松嶋。お金持ちにしか興味がなく男を振り回す桜子だが、それでも愛されてしまう、という設定に説得力をもたせる、愛らしさや美しさに満ちていた。 

助演男優賞・女優賞
堤真一 「やまとなでしこ」 フジ系  人のよさがにじみ出るぼくとつとした語り口調や、振り向いてもらえない寂しさを笑顔で伝えるなど、胸キュンの芝居で恋愛ドラマを盛り上げた。     
広末涼子 「オヤジぃ。」 TBS系  前回とは対照的な、お調子者でこらえ性のない、完一(田村正和)の次女・すず役。まくしたてるようなセリフ回しやコロコロと変化する表情を巧みに使い、カワイさで人生乗り切ってきたすずをキュートに演じた。

主題歌賞
「Everything」:MISIA 「やまとなでしこ」 フジ系  冬の名バラード新登場!の感を抱かせたメロディアスなナンバー。高い歌唱力をもつMISIAが、初めてのドラマ主題歌に挑戦し、栄冠をゲットした。歌詞も恋愛ドラマにピッタリで、少しずつ変化していく桜子(松嶋菜々子)の心を甘く盛り上げた。

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