ドラマアカデミー賞 ‘2006

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ドラマアカデミー賞 ‘2006

■第47回(2006年01月25日)
最優秀作品賞
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 「野ブタ。をプロデュース」 日本テレビ系  男子高生・修二(亀梨)と彰(山下)が、イジメられっ子の転校生・信子(堀北)を人気者にプロデュースする異色学園ドラマ。原作にない、細かなオリジナルエピソードを全編にちりばめ、3人の友情と恋愛を甘酸っぱく描くことで、青春ドラマとしての魅力を存分に盛り込んだ。主人公たちを囲む教師や親など、細かいところまで行き届いた人物設定とキャスティングも見事。

主演男優賞
亀梨和也 「野ブタ。をプロデュース」 日本テレビ系  亀梨和也、山下智久、滝沢秀明の対決となった主演男優部門。読者票1位を獲得した亀梨がそのリードを守りV。総合3位の山下まで、わずか数ポイント差という大混戦だった。

主演女優賞
井上真央 「花より男子」 TBS系  対する沢尻も審査員票で1位を奪取し、両者譲らぬまま読者票での勝負に。ここで井上が勝利し、初の栄冠に輝いた。

助演男優賞・女優賞
松本潤 「花より男子」 TBS系  実力者ぞろいの対決は“花男”松本に軍配。   
堀北真希 「野ブタ。をプロデュース」 日本テレビ系  “野ブタ。”堀北が圧倒的な支持で初受賞。

主題歌賞
「野ブタ。をプロデュース」 日本テレビ系 ドラマを飛び出し、ブームを起こした“修二と彰”の勝利。主題歌「青春アミーゴ」のアナログ感が、“野ブタ”独特の世界を作り上げたと言っても過言ではない。

 

 

■第48回(2006年05月02日)
最優秀作品賞
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 「白夜行」 TBS系  11歳で、互いを守るために親殺しの罪を背負った亮司(山田)と雪穂(綾瀬)が、真実を隠すために罪を重ねつづける。大胆な解釈で、原作とは全く違うオリジナルストーリーを作り出し、主人公二人がどのように愛し合い、罪を犯したかを緊迫感のある演出で表現。犯罪に手を染めた人間の、苦悩と絶望の日々を克明に描き、“罪と罰”という重いテーマを視聴者に突き付けた。

主演男優賞
山田孝之 「白夜行」 TBS系  罪を犯すときの、感情が振り切れてしまったようなキレた演技と、罪の意識にさいなまれる思い詰めた表情が見事。徐々に人間性を失っていくさまを哀愁に満ちた芝居で表現した。

主演女優賞
篠原涼子 「アンフェア」 フジ系  犯罪を憎み、人を射殺することもいとわないほど冷徹ながら、自分の肉親のこととなると戸惑う人間らしさを垣間見せるバランスが絶妙。ハマリ役とされていた“アネゴ系”や“天然かわいい系”を封印し、クールな中にも“女”や“母親”としての表情をにおわせる芝居で新たな魅力を見せた。

助演男優賞・女優賞
武田鉄矢 「白夜行」 TBS系  犯罪者への怒りに震える鬼気迫る表情で、画面に緊迫感を与えた。自らの発案で取り入れた念仏を唱えるシーンでは、不気味な語り口で、見る者を圧倒。ぎらぎらした表情の前半、父性すら感じさせる後半と心境の変化を見事に見せ、ベテランの演技の幅の広さを見せつけた。    
綾瀬はるか 「白夜行」 TBS系  従来の清純なイメージとは正反対の悪女を、狂気をはらんだ表情と冷めきった目で見事に演じ切った。つめをかむしぐさで雪穂の苦悩を表現。近寄り難い暗い色気と、せきを切ったように泣き出してしまう幼さを巧みに演じ分け、新境地を開いた。

主題歌賞
「輪舞曲・ロンド」 TBS系  映画のように壮大なアジア風の劇伴も取り入れ、音楽が作品の世界観を作った“輪舞曲”が受賞。二つの主題歌もハマっていた。2位は中国風アレンジがしゃれていた「西遊記」。

 

■第49回(2006年08月02日)
最優秀作品賞 
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 「医龍 Team Medical Dragon」 フジ系  落ちぶれていた天才外科医・朝田(坂口)が、野心的な医大助教授・加藤(稲森)にスカウトされ、個性的なスタッフとともに最高難度の心臓手術“バチスタ手術”に挑む。CGや特殊効果を駆使し、手術室内の緊迫した空気を表現。手術チームのメンバーが結束していくさまや、医局内の権力闘争など、人間関係の描写も秀逸で、最後まで視聴者をくぎ付けに。原作マンガを大幅にアレンジしながらも勢いを失わず、スリリングに展開した。

主演男優賞
豊川悦司 「弁護士のくず」 TBS系  今までの二枚目イメージをブチ壊すハジけぶりで新境地を開拓。喜々としてセクハラするニヤけ顔や、法廷シーンでの力強いせりふ回し、鋭い目線など、多彩な演技力を見せ付けた。時折見せる哀愁漂う表情で、男の色気をも表現したのはさすが。

主演女優賞
天海祐希 「トップキャスター」 フジ系  冷徹なまでにスクープにこだわるプロフェッショナルな面と、恋にめっぽう弱いコミカルなキャラクターの二面性を見事に表現。実在のニュースキャスターを研究したというキャスター口調も完ぺきで、高い演技力を見せた。 

助演男優賞・女優賞
伊藤英明 「弁護士のくず」 TBS系  まじめだが抜けている愛すべき“ドジ男”を、マヌケな笑顔や泣きだしそうな困り顔でコミカルに表現。九頭と正反対のキャラクターで引き立てつつ、豊川とのコンビネーションは抜群で、息の合った軽快なやりとりを見せた。    
堀北真希 「クロサギ」 TBS系  清楚な空気感はけなげでいちずな女のコ役にぴったり。正義を貫こうとする真剣さを、力強く、時に怖いくらいの真っすぐなまなざしで見せた。大粒の涙を流し、黒崎を救おうとするひたむきな姿が光った。

主題歌賞
河野伸、澤野弘之 「医龍 Team Medical Dragon」 フジ系  手術シーンの弦楽器風の劇伴など、音楽で緊迫感や崇高な雰囲気を盛り上げた「医龍 Team Medical Dragon」が1位。2位“ブス恋”、3位「クロサギ」はドラマにしっくり合った主題歌の勝利。倖田來未、山下智久の曲は、どちらも余韻に浸れる“見終わり感”を演出した。

■第50回(2006年08月02日)
最優秀作品賞 
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 「結婚できない男」 フジ系  結婚に対して否定的な考えを持つ偏屈なインテリアデザイナー・桑野(阿部)の、しがない独身生活を描くコメディー。原作ものが主流となりつつある昨今の連続ドラマの中にあって、完全オリジナル脚本で卓越した完成度を見せた。旬なテーマ選びと、ツボをついた観察眼で、独身男の世界を良質なコメディーへと昇華。多くのものを背負うからこそ、不器用になっていく大人の恋や人生を、リアリティーを持って視聴者に共感させた。

主演男優賞
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阿部寛 「結婚できない男」 フジ系  人と話すときのちょっとした視線や手つきなど、小技を積み上げることで、性格の悪さや偏屈さを表現。同時に絶妙なバランス感覚でコミカル演技を見せ、愛すべき中年男を演じ切った。

主演女優賞
宮崎あおい 「純情きらり」 NHK総合ほか  40年ぶりにオーディションをせずに起用された宮崎は、キュートな少女が成長する様を“朝ドラ”らしい地に足の着いた演技で表現。最終回、病床で息子にメッセージを残す場面は鮮烈な印象を残した。

助演男優賞・女優賞
田中聖 「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」 日本テレビ系  コワモテのヤクザ者だが、真喜男に尽くしまくるいじらしい姿が完全にハマり、キュートなキャラクターに。コメディー路線は初挑戦でありながら、長瀬に引っ張られ、テレのないハジけた演技を披露。舎弟ポジションを生き生きと演じた。   
夏川結衣 「結婚できない男」 フジ系  桑野との恒例の口ゲンカでは「敵意を秘めた微笑」など、演技の引き出しの多さを見せた。また、繊細な表現力で独身女性の葛藤や弱さを演じ、主人公と対を成す「結婚できない女」像を完ぺきに作り上げた。

主題歌賞
津留正明、澤野弘之ミュージシャンの物語だけに、音楽にこだわりを見せた「タイヨウのうた」が勝利。劇中の“雨音薫”名義で発売された挿入歌も大ヒットした。2位はアン・ルイスの主題歌など昭和なムードに徹した「不信のとき―」。感涙モノの主題歌に尽きる“マイボス”は3位に。

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