ドラマアカデミー賞 ‘2010
■第63回(2010年02月17日)
最優秀作品賞
「JIN-仁-」 TBS系 幕末にタイムスリップした脳外科医・仁(大沢)が、江戸に生きる人々の命を懸命に救っていく姿を描いた。丁寧に作り上げられた世界観と、役者陣の迫真の演技で高い支持を集めた。
主演男優賞
大沢たかお 「JIN-仁-」 TBS系 実直で腕は確かだが迷うことも多く、時に涙も見せた仁を魅力的に演じた大沢が、2位以下とは倍以上の得票数で1位に。最近は映画への出演が多いが、大沢の好演がドラマを盛り上げた一因。今後もドラマ出演を期待したい。
主演女優賞
志田未来 「小公女セイラ」 TBS系 1~3位が100票差の中で争った接戦を制したのは、「女王の教室(新人賞)」「正義の味方(主演女優賞)」以来、3度目の受賞となる志田。独特なセリフ回しや世界観に違和感なくハマり、イジメに耐える姿にも成長が感じられた。
助演男優賞・女優賞
内野聖陽 「JIN-仁-」 TBS系 歴史上の人気ある人物でかつて何人もの役者が挑んできた龍馬を、抜群の存在感と完璧な土佐弁で、田舎くさく武骨に演じ切り、「本物の龍馬はこういう人だったのかもと思った」と審査員も感服。2位とは3倍以上の差をつけた。
綾瀬はるか 「JIN-仁-」 TBS系 かわいさが際立った咲役の綾瀬と、凛とした姿が印象的だった野風役の中谷のデッドヒートの末、読者票で差を付けた綾瀬に軍配。彼女らが演じた女性キャラの“けなげさ”と“りりしさ”が「JIN-仁-」の高い評価にもつながった。
ドラマソング賞
「逢いたくていま」:MISIA JIN-仁-」 TBS系 「ラブバラードがいいだろうと思ったときに浮かんだのがMISIAさん。劇中で描かれる登場人物の“届かない思い”をテーマに曲をお願いしたんですけど、作品にすごく重なりましたね」(石丸彰彦プロデューサー)。
■第64回(2010年04月21日)
最優秀作品賞
「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 2nd season」 フジ系 フライトドクター候補生・藍沢(山下智久)らの“卒業”までを描いた。1stシーズンに比べ、5人の私生活が浮き彫りになり、藍沢の死んだはずの父(リリー・フランキー)の存在が明らかに。それぞれが悩みながらも成長し、進路を決めた。若者のリアルな苦悩や葛藤が読者だけでなく、審査員からも高い評価を得た。僅差で2位となったのは、激動の昭和を舞台に元軍人の生き様を唐沢寿明が演じ切った「不毛地帯」。3位には頑固で不器用な主人公をコミカルに演じた菅野美穂の「曲げられない女」が入り、異なるジャンルの作品が上位を占めた。
主演男優賞
唐沢寿明 「不毛地帯」 フジ系 「抑えた演技が胸を打った」などの意見でTV記者・審査員で1位となった唐沢を、読者からの支持を得た山下が追い上げたが、唐沢の貫禄勝ち。3位の水谷は「相棒が変わってもブレない」と高評価。
主演女優賞
菅野美穂 「曲げられない女」 日本テレビ系 「ヘン顔してもかわいい」「菅野のスゴさを痛感」など絶賛する声が多数。榮倉には将来性を期待する意見が寄せられた。
助演男優賞・女優賞
及川光博 「相棒 season8」 テレビ朝日系 助演俳優陣が実力派ぞろいだった「不毛地帯」は岸部、原田、遠藤で票が割れる結果となった。
杏 「泣かないと決めた日」 フジ系 イジメ役を好演した杏が「モデル出身とは思えない演技力は天性の素質だろう」と高い評価を得て、TV記者と審査員で2位と倍以上の差をつけた。
ドラマソング賞
「don’t cry anymore」:miwa 「泣かないと決めた日」 フジ系 「この曲を聴くとドラマのワンシーンが頭に浮かぶ」との意見が多かったmiwaとMr.Childrenが得票を二分。審査員からはしゃがれた歌声で存在感を見せたトム・ウェイツが圧倒的な支持を得た。また、読者票は嵐、KAT-TUNが人気を示した。
■第65回(2010年08月04日)
最優秀作品賞
「Mother」 日本テレビ系 心を閉ざす小学校教師・奈緒(松雪)が、虐待されていた子供(芦田愛菜)を救うため誘拐し、親子に成り済まして逃避行を。自分を捨てた母・葉菜(田中)との再会や、継美(芦田)との交流を通して“母性”に目覚めていく姿を描いた。TV記者、審査員で40%を占める票を獲得し、大野人気が強く読者票で1位だった「怪物くん」を振り切り、最優秀作品賞に輝いた。
主演男優賞
大野智 「怪物くん」 日本テレビ系 「有名キャラクターだけに放送前は大丈夫?と思ったけど、まさに適役」「彼だから実写がうまくいった」と絶賛の声が多数寄せられた。2位、3位には安定した演技を見せてTV記者と審査員の票を獲得した阿部、内野が入った。
主演女優賞
松雪泰子 「Mother」 日本テレビ系 「逮捕されたときの継美を見詰める表情が忘れられない」「キレイなだけでない新しい一面を見た」と彼女の芝居が「Mother」ファンの心をつかんだ。「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」は黒木と並んで、斉藤由貴も高評価に。
助演男優賞・女優賞
ARATA 「チェイス~国税査察官~」 NHK総合ほか ARATA、西島秀俊らが激戦を繰り広げた末、「変幻自在のキャラ作り」「不気味な存在感を放っていた」など、審査員の高評価でARATAが最優秀賞に。読者から人気が高かった八嶋は、「怪物くん」の共演者の松岡昌宏、チェ・ホンマンらと票を分け、3位に。
田中裕子 「Mother」 日本テレビ系 田中には「さすが! 魅了された」「もっと連続ドラマに出てほしい」と名女優への賛辞&ファンの声多数。芦田には「愛菜ちゃんなしでは成功しなかった」「すごい子役が出てきた」と絶賛の嵐。
ドラマソング賞
「Monster」:嵐 「怪物くん」 日本テレビ系 大野が演じた怪物太郎が歌う挿入歌も発売され、話題に。2位は「月の恋人―」の「LOVE RAIN―」久保田利伸、3位は「新参者」の「街物語―」山下達郎。
■第66回(2010年10月27日)
最優秀作品賞
「ゲゲゲの女房」 NHK総合ほか ヒロイン・布美枝(松下奈緒)がほぼ初対面の貸本マンガ家・茂(向井理)と結婚し、底なしの貧乏生活を明るく乗り越えて夫婦の幸せをつかむ姿を描いた。「ゲゲゲの女房 総集編」(12月29日(水)・30(木)・31(金)朝7:20-8:28 NHK総合)の放送が決定!
主演男優賞
堺雅人 「ジョーカー 許されざる捜査官」 フジ系 笑顔が印象的な堺は、「表と裏の顔を持つダークヒーローにぴったりだった」と高評価を得た。2位は淡々としたストーリーでもスター性が光った松本。長瀬はなんと1票差で、惜しくも3位に。審査員は「コミカルな演技が円熟した」と絶賛。
主演女優賞
綾瀬はるか 「ホタルノヒカリ2」 日本テレビ系 「コスプレやヘン顔など、シーズン1より干物っぷりが出ていた」「嫌味のないかわいい干物女だった」と同性の支持を集めた。3位の倍近くの得票数を獲得した2位の松下には、「控えめなヒロインに好感を持てた」とこちらも女性票多数。
助演男優賞・女優賞
向井理 「ゲゲゲの女房」 NHK総合ほか 「実在する人物を演じる難しさや、独特の雰囲気を持つ水木しげるという人物像を、気負いなく演じていた」など、これまで脇役で培ってきた演技力が証明された。
竹内結子 「夏の恋は虹色に輝く」 フジ系 「自然体でキュートなシングルマザーだった」と読者の支持を得て1位に。TV記者、審査員で多くの票を集めた長澤はデッドヒートの末に惜しくも2位となったが、「これまでのシリアスな役から一転、ぶりっこキャラで成功を収めた」と新境地を開拓。
ドラマソング賞
「Lφve Rainbow」:嵐 「夏の恋は虹色に輝く」 フジ系 月9のキラキラ感を前面に出した「夏の恋は虹色に輝く」のタイトルバックに乗せて流れる主題歌「Lφve Rainbow」は、ドラマで何かが起こるような期待感を与えた。2位には「ゲゲゲの女房」の主題歌で、いきものがかりの「ありがとう」が入った。
■第67回(2010年02月16日)
最優秀作品賞
「フリーター、家を買う。」フジ系 家族のきずなが深まっていく姿に、多くの共感が集まった。
主演男優賞
二宮和也 「フリーター、家を買う。」フジ系 悩む姿や反抗的な表情など二宮の芝居が共感を呼び、読者票で2位に倍以上の差をつけた。
主演女優賞
戸田恵梨香 「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」TBS系 堤幸彦監督の世界観を体当たりで演じ、インパクトあるキャラクターが見事にハマッた戸田に軍配が上がった。
助演男優賞・女優賞
香川照之 「龍馬伝」NHK総合ほか 「どの作品でも足跡を残す役者」など賞賛の嵐に。また、嫌みなヒール役で新境地を開いた稲垣吾郎が2位に入った。
上戸彩 「流れ星」フジ系 初の汚れ役が好評だった上戸が1位を奪取。「強そうで寂しい梨沙の姿が切なくなった」と多くの女性から共感を得た。
主題歌賞
「果てない空」:嵐 「フリーター、家を買う。」フジ系 「優しい曲調、歌詞がドラマにぴったり」などの意見が多く、楽曲とドラマとの相性の良さが選考理由。