ドラマアカデミー賞 ’95

この記事は約5分で読めます。

■第4回(
最優秀作品賞
20120718175552.jpg
 「For You」フジ系  中山美穂&息子役・明石亮太朗の名演が泣かす!中山が未婚の母親役という、その新鮮な設定が視聴者の目を引きつけた。また、高橋克典、森口博子、香取慎吾らのキャスティングも絶妙で、特に中山の子供・トオル役の明石の名演技が話題に。中山と明石が親子の情愛をこまやかに演じ、女性の幸せをテーマにしたこのドラマを、さらに重厚なものにした。

主演男優賞
中居正広 「味いちもんめ」 テレビ朝日系  板前という因習ある世界に飛び込んだ若者の戸惑いやあせりをナチュラルに演じた。

主演女優賞
中山美穂 「FOR YOU」 フジ系  ヤンママ役が違和感なく、子供とのかけあいも自然で共感を呼んだ。いつもドラマで彼女が演じるヒロインのファッション、髪型は女性のあいだでトレンドになるが、今回もナチュラルなショートヘアが人気に。

助演男優賞・女優賞
高橋克典 「FOR YOU」 フジ系  設計技師という仕事と夢に向かって一生懸命。頼れる大人の男だけど、ときどき少年のような表情や行動を見せる徹役。高橋の大人の魅力で、徹をすてきな男性につくり上げた。 
荻野目慶子 「揺れる想い」 TBS系  弁護士一家の裏に潜む因縁や情念を、小姑役の彼女がみごとなまでにひっかきまわした。その徹底した狂気漂う演技に脱帽。

主題歌賞
「HELLO」:福山雅治 「最高の片想い」フジ系  主ホーンや生ギター音の効いた疾走感ある曲調が、主人公・公介の“男のやるせなさ”にマッチした。100万枚を超える大ヒットに。 
 

■第5回(
最優秀作品賞
20120718175609.jpg
 「王様のレストラン」 フジ系 単純、単調なだけに役者の個性を際立たせた。有能なギャルソン・千石(松本幸四郎)と若きオーナー・禄郎(筒井道隆)が二流の仏レストラン「ベル・エキプ」を再建していくという単純な筋立てで、時間経過も1話分でせいぜい1日止まり。そんな三谷幸喜氏ならではの独創的な作風がウケた。登場人物全員に明確な個性を与え、どの役者もみんな輝いて見えた。

主演男優賞
松本幸四郎 「王様のレストラン」フジ系  11年ぶりに現代ドラマに主演。威厳のある雰囲気の中にシャレっ気も交ぜ、独特のギャルソン像をつくり上げた。主演とはいえ決して突出せず、共演陣の魅力をもうまく引き出す演技、深みのあるセリフ回しはさすがでした。

主演女優賞
酒井法子 「星の金貨」日本テレビ系  唖(ろうあ)の難役を演じきった酒井法子が好きな相手をいちずに思いつづけるヒロインのせつなさ、強さを手話と豊かな表情でみごとに伝え、受賞。みずから歌った主題歌もヒットし、女優としても歌手としてもひとまわり成長した姿を深く印象づけた。酒井の上品な手話も大きな反響を呼んだ。

助演男優賞・女優賞
西村雅彦 「王様のレストラン」フジ系  クールな支配人にうまく人間味を加えた技巧が光った。「警部補・古畑任三郎」(’94年 フジ系)の、頼りない今泉刑事(西村雅彦)と対照的なキャラで新たな個性を発揮。 
山口智子 「王様のレストラン」フジ系  山口は、男の職場と思われているシェフを男以上にカッコよく演じて、男からも女からも人気を集めた。奔放で勝ち気な反面、繊細で女らしいキャラクターは彼女自身の魅力を余すことなく引き出した。

主題歌賞
「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」:L⇔R 「僕らに愛を!」フジ系  パンチがある良質のポップ・ソングを書き下ろしたL⇔Rが、審査員、TV記者ともに1位となり頭ひとつ抜け出た。軽妙なタイトルバックとも好マッチ。 

 

■第6回(
最優秀作品賞
20120718175625.jpg
 「愛していると言ってくれ」  TBS系  聾唖(ろうあ)の画家・晃次(豊川悦司)と、いちずなヒロイン・紘子(常盤貴子)の恋愛物語。会話の多くは“手話”で、内容を字幕で表示する方法や、FAX、電話、オルゴールなどの小道具、清らかな劇中音楽などが、2人の“静か”な純愛をくっきりと浮かび上がらせた。若者が手話教室に殺到するなどのブームにまでなった。

主演男優賞
豊川悦司 「愛していると言ってくれ」TBS系  難役で魅力を存分に発揮、トヨエツ、彼の大きい手と長くてきれいな指が手話を紡ぎ出すたびに、女性ファンは常盤チャンといっしょにドキドキした!

主演女優賞
常盤貴子 「愛していると言ってくれ」TBS系  ここまでの約1年半、連ドラに出つづけてきた常盤が、経験を生かして初の大役を笑顔で演じきった。晃次(豊川悦司)への思いにも女優という夢にもいちずなヒロイン・紘子は、彼女にぴったりとはまった。

助演男優賞・女優賞
今田耕司 「いつかまた逢える」フジ系  恋も仕事も“なんとなく、とりあえず”なお調子者の若者を、軽くなりすぎず演じ好感。福山雅治、椎名桔平との掛け合いも自然体でよかった。  
大塚寧々 「いつかまた逢える」フジ系  ラジオ局のADという仕事にプライドをもつポジティブキャラに大塚の“魔性系”の魅力が加わり存在感を際立たせた。まじめさゆえに屈折した恋愛の微妙な心の機微もみごとに表現。

主題歌賞
「LOVE LOVE LOVE」:DREAMS COME TRUE 「愛していると言ってくれ」TBS系  美しいメロディラインとせつない詞の相乗効果で、最強のラブ・バラードに仕上がった。 

 

■第7回(
最優秀作品賞
 20120718175639.jpg
 「未成年」 TBS系  野島伸司らしい社会派青春ドラマ。体制に反感をもち、闘うハメになる5人の高校生らが主人公だが、彼らの“挑闘”の直接的きっかけとなる仁(香取慎吾)の発砲事件がやっと第8話で出てくるという“助走”の長さは従来ないもの。過激さだけでない野島作品の底力が、結果的に証明された。

主演男優賞
いしだ壱成 「未成年」TBS系  さめた顔に隠れたやさしさ、大人びた表情と無邪気な笑顔。純粋ゆえに、いくつもの顔が混在するあやうさと、そして愛しさを感じさせる博人像を完成させたのは、まさに彼の力量だ。

主演女優賞
鈴木保奈美 「恋人よ」フジ系  不治の病の恐怖におびえつつ前向きに生きる愛永役。精神的な愛を求めるりんとしたヒロインを、すがすがしく演じた。野沢尚脚本特有の哲学的なセリフを言う、清潔感あふれる声と、強い光を放つ眼が印象的。

助演男優賞・女優賞
香取慎吾 「未成年」TBS系  デクの棒の“デク”と呼ばれる精神遅滞の仁。天真爛漫な笑顔、恐怖にゆがむ表情、悲しみの涙…どれもが本物の輝きをもって胸に迫ってきた。  
飯島直子 「人生は上々だ」TBS系  どんな役でもホントの“女らしさ”があるのが魅力だ。共演の浜田雅功との掛け合いも多く、コミカルな面も見せてくれた。

主題歌賞
「TOP OF THE WORLD」:カーペンターズ 「未成年」TBS系  穏やかで楽しげな曲調が未成年たちのピュアな姿を際立たせ、激しい物語の悲しさをより強調する効果を持った。  

タイトルとURLをコピーしました