ドラマアカデミー賞 ’97

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ドラマアカデミー賞 ’97

■第12回( 
最優秀作品賞
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 「踊る大捜査線」 フジ系  警視庁と警察署の関係や刑事らのサラリーマン的な日常をコメディータッチで描き、現在も熱い支持を受ける“新しい”刑事ドラマ。いかりや長介、ユースケ・サンタマリアら助演陣の配役の妙も光った!

主演男優賞
織田裕二 「踊る大捜査線」 フジ系  ユニークな発想と行動が実にさわやかで、営業マンから転進した“刑事らしくない刑事”がハマった。青島の定番・カーキのコートも流行。  

主演女優賞
常盤貴子 「理想の結婚」 TBS系  
ともすれば嫌みになりがちな明るくはじけたキャラを、コテコテの関西弁を生かし素直にかわいらしく演じた。竹野内 豊がぶっ倒れる勢いで抱きつくお約束のシーンも抜群にキュートだった。

助演男優賞・女優賞
渡部篤郎 「ストーカー 逃げきれぬ愛」 日本テレビ系  前半はヒロインを追いつめる姿がひたすら恐ろしく、後半は狂気の裏側にある哀しみが胸を打った辰也役。彼の異常な行動と、渡部の並外れて豊かな表情からはとにかく目が離せなかった!     
雛形あきこ 「ストーカー・誘う女」 TBS系  大映ドラマ特有の劇画調の作品に、文字どおり体当たりで挑戦。うっとりと夢見るような笑顔も秀逸で、激しい思い込みをするミチルの異常さを、テレを捨てた“いっちゃった”目で潔く見せた。  

主題歌賞
「スカーレット」:スピッツ 「メロディ」 TBS系  いかにもスピッツらしい優しさにあふれた、アコースティックなほのぼのナンバー。サチコ(小泉今日子)親子が土手でたわむれるタイトルバックにも、人情味あふれるストーリーのシメにも、しっくりハマって涙を誘った。楽曲のよさの勝利。 

 

  

■第13回(
最優秀作品賞
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 「ひとつ屋根の下2」 フジ系  ’93年のパート1から2年後の設定。あんちゃん(江口洋介)率いる愛すべき柏木ブラザーズは、小雪(酒井法子)の白血病などよりシリアスな問題に、持ち前の団結力で立ち向かう。パート2から仲間入りした松たか子、森田剛らも華を添え、笑いと涙も増量、見る者を飽きさせず、かつ裏切らない劇的展開の勝利。

主演男優賞
草なぎ剛 「いいひと。」 フジ系  困っている人を見るとどんな犠牲をはらってもつい助けてしまう。仕事も私生活もウソは一切ナシ。いつも全力疾走で笑顔を絶やさないという、デフォルメされたキャラクターを、正攻法で違和感なく見せた力量は賞賛に値する。  

主演女優賞
薬師丸ひろ子 「ミセス シンデレラ」 フジ系  夫(杉本哲太)や姑(江波杏子)への気のつかい方、“恋”をとまどいつつも楽しむさまなど、ひとつひとつのしぐさやことばは真実味と愛らしさにあふれていた。

助演男優賞・女優賞
内野聖陽 「ミセス シンデレラ」 フジ系  若き世界的指揮者としての威厳、恋への真摯な態度、後半のうつろな表情…。さわやかなだけではない光の人間性に女性ファンは夢中。    
室井滋 「ギフト」 フジ系  ウマさは説明するまでもなし。ハデハデの外見、部下をアゴで使うヤリ手ながら女らしい小心をも内に秘めた腰越役。野長瀬(今井雅之)らとの掛け合いも抜群のテンポで見せる。

主題歌賞
「DO NOT」:藤井フミヤ 「ミセス シンデレラ」 フジ系  ファルセットを多用した難曲をさすがの歌唱力で表現、聴く者の胸に迫る名曲に。出だしのオルガンふうの音色や透明で力強い歌声が、大人の恋愛を美しく包み込んだ。 

 

 

■第14回(
最優秀作品賞
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 「最後の恋」 TBS系  医者の卵・夏目(中居正広)と孤児院で育ったアキ(常盤貴子)の恋物語。家庭環境の違いやアキのホテトル嬢歴がカセになる障害多き恋を軸に、2人が人間として成長するさまを描いた。2人が海でキスをするタイトルバックはじめ、心に残る美しいシーン多数。名言も続出した北川脚本に多くの女性視聴者がハマった。

主演男優賞
中居正広 「最後の恋」 TBS系  武骨で硬派な役が似合うイメージだった中居が今回は一変し、ピュアな弱さをもつ“悩む”青年・夏目を好演。北川悦吏子脚本の、優しさいっぱいかつ直球のきめ細かい名ゼリフもせつなくキマって新たな魅力発見!   

主演女優賞
常盤貴子 「最後の恋」 TBS系  口は悪いが心優しく、姉御肌であり少女のようでもある、寂しさを背負った明るいアキは、さわやかでキュートだった。セクシーな衣装や髪型も◎

助演男優賞・女優賞
萩原聖人 「それが答えだ!」 フジ系  とにかく人情に厚い、愛を信じる熱血教師・池田役。“田舎っぽさ”とこれでもかというほどの人のよさが、鳴瀬(三上博史)と実に好対照で、笑いを誘った。カッコイイ役がキマる彼だがこんな三枚目役もまたいいですね。     
広末涼子 「ビーチボーイズ」 フジ系  はしゃぎ、泣き、笑い、怒る豊かな表情はキラキラとまぶしく、初々しく、真実味にあふれ、本当にかわいかった! キュートな存在感は、次回作を心底期待させてくれた。

主題歌賞
「伝えたいことがあるんだ」:小田和正 「最後の恋」 TBS系  直球のラブソングが、中居正広&常盤貴子の美しい恋物語のせつなさを倍増させた。クライマックスでイントロが流れるたび、条件反射的に涙を流した女性ファン多し。さすがです。  

 

 

■第15回(
最優秀作品賞
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 「青い鳥」 TBS系  長野の田舎町の駅員・理森(よしもり・豊川悦司)が人妻・かほり(夏川結衣)と恋に落ち、その夫(佐野史郎)に執拗に追われながらかほりの娘・誌織(山田麻衣子)とさらに旅を続ける。破格の制作費で半年に及ぶ長期ロケを敢行、連続ドラマの域を超える壮大な作品に。 

主演男優賞
木村拓哉 「ラブジェネレーション」 フジ系  ナンパで熱くて、人一倍優しい男・哲平を、髪も切って魅力的に演じた。相づちひとつとっても完璧に哲平らしい、相変わらずの細部まで行き届いた芝居を堪能させてもらいました。    

主演女優賞
室井滋 「心療内科医・涼子」 日本テレビ系  心の病を抱えた患者と真摯にコミュニケーションをとり、全身全霊をかけて診療する熱血医師・涼子を体当たりで演じた。医師としての温かさと強さ、悲しさを確かに伝える熱演。持ち前の明るさと豊かな表情に、見る者も癒されました。

助演男優賞・女優賞
野村萬斎 「あぐり」 NHK総合  あぐり(田中美里)の浮気性の夫で、自由でモダンな天才文士・エイスケに、狂言界のプリンスが扮し話題に。美しい体の動き、現代劇のナチュラル志向とは異質の演技法、圧倒的な存在感と類まれな品格が、トボケつつ奥に強い意志と芸術性を秘める魅惑的なエイスケを形づくった。      
夏川結衣 「青い鳥」 TBS系  2人の男をはからずも翻弄する人妻・かほりの、浮き世離れした、かつ官能的な美しさと、テレビ画面の中でなんとも新鮮だった彼女の透明感がぴたりと重なった。悲しみの表情が多かっただけに、静かに花開くような笑顔が艶やかで印象深かった。 

主題歌賞
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「Wanderin’ Destiny」:globe 「青い鳥」 TBS系  ささやくような導入部分から、「あなたと死ねたら」と歌い上げるサビまで、ドラマチックに展開するシリアス・ナンバー。スピードを増して盛り上がる後半の高音ボイスが、追いつめられた人間の熱情を代弁しているかのようで心に迫った。。  

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