NHK大河ドラマ第8作「樅の木は残った」

1970年~1979年
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平和な世に突如起こった伊達藩のお家騒動。

幕府・藩内に渦巻く人々の情念を描いたドラマ。

放送期間:1970年1月4日~1970年12月27日
放送時間:毎週日曜、20:00~20:45
放送局:NHK 大河ドラマ
原作:山本周五郎
脚本:茂木草介
出演:平幹二朗、吉永小百合、田中絹代、栗原小巻、北大路欣也

【 解 説 】


 NHK大河ドラマ第8作。全52回。平均視聴率21.0%。最高視聴率27.6%。初回視聴率27.6%。

山本周五郎の原作を基に、平幹二郎、吉永小百合、田中絹代ら豪華役者が顔を揃えた。平和な世に突如起きた伊達藩のお家騒動を背景に、幕府・藩内に渦巻く人々の情念を描く。

江戸時代前期の四代将軍家綱の治世に起きた伊達騒動を題材にした、山本周五郎の名作「樅ノ木は残った」を原作に、「太閤記」の茂木草介(脚本)、吉田直哉(演出)のコンビが挑んだドラマで、戦争のない時代にも争いを求めてしまう人間の悲しい性を描いている。

現在に続くご当地ブームの先駆けとなった作品で、ドラマの舞台地でロケが行われたのもこの「樅ノ木は残った」が初めてであり、地元仙台で主に主人公・原田甲斐の青春篇が収録された。地元との観光タイアップが本格的に始まったのもこの作品で、舞台地近くの樅の木林が一斉に刈り取られ、ただ1本が残され、まさに「樅の木は残った」状態にされたというエピソードがあった。

原作に脚本家によるオリジナルストーリーが加えられたのもこの作品が最初で、冒頭13回の原田甲斐青春篇が書き下ろされた。

ときのアイドルが出演したのもこの作品からで、当時の国民的アイドル吉永小百合が出演したことも話題になった。

また、大御所・田中絹代も出演し、映画出身でテレビに慣れなかった田中が何度もNGを出し、「田中先生、もういちどやり直しましょうか」と吉永に気遣ってもらったのに「皮肉」と受けとったというのは、このときのエピソードである。

オープニングはその冒頭、風に揺れる竹林から能面が現れ、その能面を様々なアングルから映しつつ、風に翻弄される竹の映像を挿し込むというもので、この能面が恐いといって泣き出す子供がいたという。このタイトルバックの撮影は、竹林ぎりぎりまでヘリコプターを降下させて撮影し、文化財である能面については、所蔵者自らがスタジオに持ち込み、撮影中、片時も離さず、スタッフは湿度計まで用意して万一の事故を防いだという。

【 内 容 】

主人公の原田甲斐は、原田家の当主として伊達藩家臣団に組み込まれているが、権勢を求めず、奥羽山脈に抱かれた居館において「朝餉の会」という気の合う仲間との懇談を楽しみとした、穏やかな日々を過ごしていた。

しかし彼のいる17世紀半ばでは、まだ藩政の絶対主義が確立しておらず、藩祖の血脈という権威を背景とした有力者たちが、地方知行の経済力を基盤として権力闘争を繰り広げていた。

この闘いが原田と彼の友人、家臣たちの運命を変えていくことになる。

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